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おいでませり(1)

ヤングキングアワーズで連載中の漫画の単行本。表紙の手触り(画用紙っぽい)と爽やかなデザインがよいよい。
帯にもある通り、「頑張らない」女性であるセリさん(表紙)を主役に据え、彼女やその周辺人物の過ごす日常を描いた作品です。

舞台は遠い未来。宇宙の航路も大きく開かれ、元来の文化と異星の文化が自然に混在している街、だいだい町がセリさんの在住地です。
セリさんと一緒に暮らすことになるウニも、ブラウニー族という立派な異星人。通訳のような立ち位置になっている黒猫のツナカンも、人語をかなり理解してる節があるし、異星の生物だったり……しないか。

未来が舞台ですので、大石まさるさんの描く、僕らが普段見かけるような街並みと、僕らは目にすることすら叶わないであろうSF的ガジェットが上手い具合に溶け合った風景は健在。そういった、幻想的でありつつも、何処か僕らが過ごしているような日常にも似たところのある世界を舞台に、ひたすらにささやかな日常生活を送るセリさんの姿はとても魅力的です。

個人的に最も「この人、いいなあ」と感じたのが、臨時の用務員としての勤務中、持参した蛤を焼いたものを昼食にしつつ、お酒を楽しんでいるシーン。暖かな春の陽気を浴びながら一杯やるのは、さぞや気持ちのいいことでしょう。
実際にこんな人がいたらかなり問題になるのかもしれませんが、この世界では何だかんだで許容されてしまうんです。かといって、皆が他人に無関心だとか、こういった「非常識」な人物が常識的に受け入れられているというわけではないのは、該シーンでパンツを見せつけながらセリさんを叱りつける女子中学生・アマショクちゃんを見れば分かるんではないでしょうか。

「まあこの人なら、こういうことしても仕方ないか」なんて具合に愛される、憎めない女性としてセリさんが描かれているだけと言ってしまえばそれまでなんですが、他の土地からふらりと現れ、周りに助けられ、時には迷惑をかけつつも、最終的にはきちんと1人で自活する、確固としたライフスタイルを持ったセリさんが、ちょっとだらしなくも、ある種の眩しさを伴って見えてくるという、その辺りの丁寧な描写は、この手のキャラを幾人も描いている大石まさるさんならではなんじゃないかなあ、と思います。
で、この手のキャラも色々なしがらみから無縁であるようでも、やっぱり人並に悩みやら何やらはあって、だけどそれを乗り越えたところにこそ、その「ある意味羨ましい」信念や生活がある、なんて具合に描かれることが大石まさるさんの作品では多いような気がするので、セリさんの過去なんかも今後明らかにされたりしないかなあ、と期待している次第。そんな感じで、キャラに厚みを持たせるのが上手いんですよ、と大石まさるさんのファンとしては声を大にして言いたい。

さて、大石ワールドの魅力の1つに、ビジュアル的にも包容力ある女性が多い、ということがあるように思います。これはもうどのキャラが云々という話ではなくて、細い女の子が全然出て来ないってことなのです。キャラの輪郭が、非常にしっかりとした描線をもって表現されているのも相俟って、どの女性も存在感が凄い。僕なんかは、精神的に成熟している上に、そういった身体を持ち合わせてもいる女性に全てを委ねたくなってきてしまったりもします。とにかく、読んでいて安心できるんですよね。
ただ、時にはちょっと「ガタイがいい」という感じになったりもするので、そんなのは2次元に求めてないのに、という方には受けが悪いのかもしれません。
僕にはご褒美です。女子学生がブルマを穿いてたりするのも素晴らしい!



そういえば、つい先日オープンしたCOMIC ZIN新宿店にて、大石まさるさんのサイン会が開かれるそうです(追記:既に終了しています。その時描いてもらったサインはこちら)。整理券の配布は昨日開始。僕は開店ちょい前に駆け付けたんですが、その時はまだ幾らか余裕があった気がします。興味のある方はお店の方に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

大石まさるさんのサイトはこちら→"大石工画店"

関連:『水惑星年代記 月娘』感想
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
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