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神のみぞ知るセカイ(4)

週刊少年サンデーにて連載中の、割と新感覚な気がするラブコメ漫画の第4巻が発売。
心のスキマを"駆け魂(地獄から抜け出した悪人の霊魂)"に狙われた女の子達の、そのぽっかりと穴の空いた心を恋をもって修復すべく、ギャルゲーの前では恋愛の達人、だけども現実の情事については生兵法もいいところな桂馬(表紙)が、地獄からやって来た悪魔・エルシィと協力し奮闘する作品です。

既刊の試し読みも出来る公式サイトはこちら

この4巻に収録されているのは、小阪ちひろを巡るエピソードと、インターバル的なものが幾つか。ちひろの次に攻略対象となる長瀬純も登場はしますが、最初の1話しか載っていないので裏表紙にはその姿が見えません。

以下、ちひろについて書いてるように見せかけた自分語り。よく思うんですが、ヲタって割と自己顕示欲強いですよね。しかも露悪的なんだ、僕みたいに。

ちひろは、裏表紙を見れば分かる通りの(手元にない方は、検索とか推奨)、パッと目を惹く記号的な特徴を持たないキャラクターです。変哲も無い髪型に、至って普通のスタイル。黒目がかなり小さめに描かれているため、特に可愛さを感じさせる顔立ちでもありません。制服以外に着替えたりはしないため、そういった方向でのアピールもかなり弱めです。
漫画のキャラとしては没個性的と言っていいビジュアルの彼女ですが、内面なんかもそれと合致しています。勉強や運動の出来も平均前後、これといった趣味も無し……まさにモブキャラの見本と言ってもいいかもしれません。事実、これまでにも端役としての登場は結構な回数があった気がします。

そんなちひろの心のスキマは、言うまでも無いかと思いますが「平凡である事」。自分自身に光を見つけられないから、輝きを持った人にふらふらと吸い寄せられ、とりあえず告白してみたりする。本当に好きなのかと言うと勿論そんな事は無くて、彼女自身もその辺りの事は百も承知なんですよね。

成り行きから、桂馬は彼女に対し「真剣になれ!!」との言葉をぶつけます。それを受けてのちひろの台詞が、何ともキツイ。

「みんなみたいに輝けないもん… 真剣になって、どーなるってのさ!」

小学生の時でも中学生の時でもいいんですが、それまで持っていたある種の万能感、自分こそが物語の中心・主役なんじゃなかろうかと言う、あまりにも嘘臭いくせに何故か強固な自信、それをごっそりと剥ぎ取られてしまった感覚ってのを知ってる人は、ちひろに感情移入し易いんじゃないでしょうか。ちひろがそういった過程を経たかどうかは不明ですが。
僕なんかはその手の経験をした後に、上の画像のちひろのような心境に至った事があるので、古傷を弄られるような、痛さとむず痒さが同居した気分でこのエピソードを読んでいました。大抵の人間は平凡で、そこを卑下してもどうしようも無いんだ、とある程度心情的に折り合いをつけられるようになったのはいつの頃だったっけ、なんて昔日に想いを馳せてみたりしながら。

そんな僕は、一時的に桂馬と言うパートナーを得て、心のスキマを恋によって埋める事が出来たちひろをひどく羨ましく思います。自分自身で解決出来なかった事柄を、協力者の助力……と言うよりもむしろ「他人にはいない」協力者そのものを得て捩じ伏せてしまったちひろの心ってのは、独りで妥協点を模索していた僕のそれとは似て非なるものなんだよなあ、なんて。
僕は自身ののんべんだらりとした生き方にはそこそこ満足しているので(もう少し色々と勉強してくれば良かったなあとの後悔はあるけど、それは今更どうしようも無いですし)、ちひろが立ち直った点は素直に祝福出来るんです。ただ、色恋沙汰と言うのとは本当に遠い場所にいた僕には、彼女の方法の効果は想像がつかないし、とても素敵な事なのかもしれないなあ……なんて考えちゃうんですよね。

ところで、桂馬自身も大きく一歩を歩み出した感があるのがこのエピソード。モブキャラ扱いし、真剣に生きていないなんて言葉を叩き付けたちひろも、今まで触れ合ってきた少女達同様に現実(リアル)で四苦八苦している様子を目の当たりにし、自分の現況について思索を巡らせているようなカットが描かれたりしています。
これ以降、まだそれ程に話が進んだわけでは無いので、桂馬の心境の変化をはっきりと感じ取る事は出来ないけれども、今後の展開は更に面白くなりそうで期待です。

それはさておき、サンデー本誌で読んでた時から気になってたけど、こうして単行本でまとめて再読した結果、ちひろは個人的に最も好きなキャラになったかもしれません。作中で1番可愛いのはやっぱり栞だと思うんだけど、ちひろは僕と精神構造が似ている上に、僕が歩み得なかった道を進んでくれそうなので、何だかかなりの思い入れを持ってしまいそう。

こういう話だけで終わるのもアレなので、話題転換。
今巻には、前巻で初登場エピソードを終えたばかりのハクアが続けざまに姿を現します。その失敗を始末書にまとめなければならないと言う事で桂馬に協力を求めてきた彼女ですが、桂馬と会話をしつつ時々頬を赤らめたりしていて、微笑ましい。
そんな2人のやり取りにエルシィがちょっと嫉妬しているような様子もあって、これまたニヤニヤしてしまいます。安定感のあるラブコメだなあ。

更に違う話題。
この4巻には、桂馬のママさんである桂木麻里さん絡みのエピソードもあります。『聖結晶アルバトロス』に出てきた美沙都さんもそうでしたが、若木民喜先生はいいママさんを描くなあ。その辺りのこだわりとかは、ブログの08年12月31日のエントリでほんの少し語られていました。

ちなみに、麻里さんと桂馬の載っている特典ペーパーはアニメイトで入手出来ます。ちひろと歩美の絵柄はゲーマーズで配布してるらしいんで、今日買いに行こうっと。

若木民喜先生のブログはこちら→"HoneyDipped"

関連:『神のみぞ知るセカイ』(2)感想(3)感想
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
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