上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
神のみぞ知るセカイ(5)

週刊少年サンデーにて連載中の、ガジェットや小ネタの多さに驚きつつも、サクサク読めるラブコメ漫画の第4巻。
心のスキマを、"駆け魂"という地獄から抜け出した悪人の霊魂に狙われた女の子達の充たされない心を恋愛感情をもって埋めるため、ギャルゲーにおいては比肩しうる者なし、だけど現実については何それ美味しいの? といった感じに興味のない少年・桂馬(表紙)が、地獄からやって来た悪魔・エルシィと協力し合い奮闘する作品です。

既刊の試し読みも出来る公式サイトはこちら

今巻に登場するヒロインは、教育実習生の長瀬純と、天文部員の九条月夜。彼女らを巡るエピソードに加え、エルシィの日常を追ったインターバル的な話も収録されています。

2人のヒロインは共に、自らが描く理想(他者に理想を押し付けるものと、そうせずに自分の内側に逃げ込むもの……前者が長瀬先生、後者が月夜)を追い求めていく内に、現実という壁にぶつかってしまいます。そこで理想には限界があることに気付くんだけど、そういった点に気付いたこと自体を殊更に無視しようとしたり何だりで、そこから先に進めない。
これは特に長瀬先生に顕著なように思いました。高校時代に部活で理想を強く押し出し過ぎた結果、チーム内に不和をもたらし、部そのものを潰してしまった彼女ですが、教育実習生になってもその根本は変わっていない。生徒に熱くぶつかる、そうすればきっと生徒も付いて来てくれる……そういった思いばかりが先行した結果、やっぱり生徒との間にも微妙な空気を作ってしまう。

何といいますか、痛ましいエピソードでした。勿論、理想の押し付けは自己満足に繋がっていくものではあるけれど、少なくとも長瀬先生のそれには、幾らかは他者への思いやりも含まれていて、丹念に描かれる彼女の内面を知り得るこちらとしては、そういった点にも気付いている。だけど、長瀬先生の体当たりの相手である生徒達は、彼女の心情なんて分かりはしないし、通常そうであるように、わざわざ慮るようなことだってしない。
そこから生じる長瀬先生と生徒達のすれ違い、長瀬先生の空回っている感じが僕の心に少なからずダメージを与えてくれたわけです。

そんな彼女を救うべく桂馬がとった行動は、彼女の理想を肯定するものだったわけですが、連載時はそこに少しだけ違和感を覚えていました。僕自身としては、これはちょっとばかし長瀬先生を甘やかし過ぎなんじゃないの? なんて最初は思ったりもしたわけです。これじゃ、今後も彼女は同じような状況に陥ったりするんじゃないだろうか、と。
ただ、単行本になってまた何度か読み返してみると、今度は何故かしっくりくるんですよね。よく考えたら長瀬先生は、高校時代にしろ現在にしろ、理想をもってぶつかっていって、結果が出なかったらすぐに逃げ出してしまっている。だけど、そこでまだ理想に拘れば、もしかしたら事態は良い方向に転ぶかもしれない。運的な要素もあるでしょうし。それでダメなら、今度は妥協すればいい。そういう意味では、彼女はまだ本当に理想の限界に辿り着いてはいなかったのだから、とりあえず前に進むためには、何よりも背中を押す人間の存在が必要だった……のかなあ。自分の中でも上手くまとまっていない状態です。更に何度か読み直そう。

さて、もう1人のヒロインである月夜関連のエピソードについては、彼女自身よりもむしろ桂馬の言動が重要だったように思われます。
詳しい話は省きますが、桂馬の口から「セカイには美しいものが沢山ある!! ボクら一緒に捜そう!!」なんて言葉が飛び出すとは……彼自身が、セカイの中にゲーム以外の美しいものを見出し、それを受け止められるようになる時は来るんでしょうか。

今までに比して、特に理想と現実の間で悩むヒロイン達の姿が描かれたことで、桂馬の言動に更なる変化が見られ始めた気もする今巻は、作品において非常に大きなウェイトを占めるものなのかもしれません。若木先生も、最終回に繋がるような話だったのかも、と仰ってますしね。

そういえば、ポスターブックなるものも同時に発売されていました。今までの神のみ関連のカラーカットが一まとめになったものらしいです。さっき中を覗いてみたら、少年サンデー08年33号のカラー(栞単体のアレ。ヲタ向けショップなんかに貼ってあったポスターの絵柄)も入ってたりして、思わずこれはいいものだ、なんて口走ってしまいました。今まで登場したヒロインについての情報、エピソードを軽くまとめたペーパーなんかも収録されているので、ファン必携の一品になってるんじゃないでしょうか。多分。

ところで、今回の特典ペーパーって何処のお店で配布してるんですかね。アニメイトととらのあなのは入手したんですが、あと1枚が何処のものだか分からなくて……月曜辺りに秋葉でも行ってみるかな。

若木民喜先生のブログはこちら→"HoneyDipped"

関連:『神のみぞ知るセカイ』(2)感想(3)感想(4)感想
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。