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そんな2人のMyホーム(2)

まんがタウンにて連載中の4コマ漫画の単行本。
天才彫刻家である都築輝(表紙・右)と、それをサポートする有能大和撫子、舞さん(表紙・左)の親子の生活を描いた作品です。

試読はこちらでどうぞ。

この作品を読んでいてまず目に付くのは、舞さんの素晴らしさでしょう。
料理や洗濯等の家事は勿論のこと、経理まで難無くこなし、父である輝を色々な面からサポートしているその有能さ。
輝の精神的な支えともなり、彼に心配をかけまいとする優しさに、家族以外の人間に対しても発揮される女性らしい気遣い。
そういった内面の優秀さも然る事ながら、外見も高スペックな辺りは本当に推せます。表紙に描かれているように、舞さんは着物と割烹着を愛用している大和撫子。そんな男心をくすぐる服装に、優しさを感じさせる瞳、風に吹かれ涼やかに揺れる髪とが相俟って、何かもう……眺めてるだけで溜息とか出てきちゃいます。まさに厨スペックと言えましょう。

そんな舞さんなんですが、意外な事に浮いた話はほとんどありません。その原因の1つに、輝の異常と言っても過言では無い程の干渉っぷりがあります。
まあこれだけ優秀な娘で、しかも2人暮らしだってんだから、手放したくない気持ちになるのは分からないでも無いですが……輝は、舞さんに男性とのメアドの交換も許しません。舞さんの玄関先での応答が一定時間を過ぎると、すぐさま駆けつけるその過保護っぷりにはちょっと引く。

そんな輝の心の奥底にある最も素直な気持ちは、他の年頃の女の子は恋だ仕事だと好きに生きているのに、舞さんには迷惑をかけっぱなしで申し訳ない、だけど奥さんが亡くなってからは彼女だけが自分の生きがいである……というもの。普段は気性が荒く、ともすれば傍若無人とも感じられる言動をとる彼ですが、風邪で倒れて本音を吐露するエピソードでは本当に寂しげです。

そして、そんな父の想いに応えようとする舞さん。浮いた噂の出てこないもう1つの原因が、彼女自身にあります。いなくなってしまった母の分も、輝の傍にずっといると心に決めているわけです。

一見すると何ら問題の無い、微笑ましい家族ですが、その実一歩間違えれば共依存に陥ってしまいそうな都築親子。輝の過干渉と、舞さんのそれへの対応(ある意味、こちらこそが過保護なのかもしれません)がかっちりと組み合ってしまい、そこにはある種の排他性が生まれてしまっていたようにすら見えました。

そんな都築家に新しい風を運んできたのが、トラネコ急便の青年です。都築家周辺の宅配等を担当している彼は、輝とその友人を除いて、舞さんが唯一継続してコミュニケーションを取っている相手。それでも色恋沙汰にはなかなか発展しそうにはありませんでしたが、今巻では急展開が。
何と彼こそが、舞さんの初恋の相手であった「ヒロちゃん」だったのです。その事実の発覚と同時に舞さんの記憶がどんどん蘇り、輝の世話一色だった生活に、それまでとは明らかに違う色彩が混じり始めます。表紙に見られるように、それはある意味では春の訪れなのかもしれません。

そんなヒロちゃんについて印象的だったのが、都築家の時間が止まってしまったようだという、その独白です。
彼が子供の頃から何ら変わっていない屋敷の外観、外見だけは成長しながらも、何処か停滞してしまったかのような輝と舞さんの関係。今まで作中であまり触れられてこなかったその点を、彼らの過去を知り、今また触れ合いを持ち始めたヒロちゃんが指摘するそのシーンは、今後都築家に訪れるであろう変化の予兆……のように僕には思えました。

こんな感じで樹るうさんの4コマ漫画は、クスッと笑える部分をきっちり見せつつ、ストーリー展開もしっかりしていてとても好みなんですが、その作品群の中でも特にこの『そんな2人のMyホーム』が好みです。
ヒロちゃんという常識を持った気持ちのいい人間が、見事にこちらと変わらぬ視点で動いてくれて、そのおかげで僕も、都築家のおかしな部分、それゆえの親しみや切なさみたいなものをストレートに受け取る事が出来るんですよね。

樹るうさんのブログはこちら→"踊るスターフルーツ育成中"
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
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