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・『MC3(無謀キャプテン)』/島本和彦

巻頭カラー。

私立全速力学園とやらの校長を務める、「自分の墓穴は自分で掘る!」との座右の銘を持つ男、堀田戊傑がモンスターペアレンツ(文字通り、モンスターのように暴徒化してます)をちぎっては投げちげっては投げしているところから話は始まります。
彼らに向かい、その子息達を次の学力コンクールとやらで有名私立大学の合格圏に入れられなければ「それができない時は――私がいさぎよくこの学校を辞める時だ!!! これは口約束ですが!!」と啖呵を切ってみせる彼は一見するとカッコイイ。まあ、よくよく考えると何とも無責任な発言ですけども……

リュウコミックスで『ゲキトウ』、『仮面ボクサー』と発売が続いていて、そのお祭りの一環みたいなノリで描かれた作品だと思われるので(以前、少年キャプテンで連載されていたらしい『無謀キャプテン』の新作だそう)、元の作品を知らないと楽しみ切れないという印象を受けました。ちなみに『無謀キャプテン』も6月発売のリュウコミックスのラインナップに入ってるようなので、そちらを読んでからもう1度見てみようかな。
ところで最近色々と復刊が続いてるのは、『アオイホノオ』人気とかの関係でしょうか。昔どうしても2巻だけ入手できず、それならいっそ……というわけの分からん理屈で単行本を手放してしまった『レッド・カード―男の一枚』なんかも何処かで文庫化とかしてくれないかな。かつて新刊で持っていたものを中古で買うってのも、ちょっと抵抗があるんですよね。



・『くおんの森』/釣巻和(#17『岬の守人』)

風邪を引いた父、その看病をする母・文子を残して、1人で祖父の墓参りへと向かう遊紙。
彼がバスに飛び乗ると、乗客は全くおらず貸し切り状態。にも関わらず彼にちょっかいをかけてくる相手がいるので、それがてっきりモリ様だと思った遊紙が文句を言おうとすると、そこに立っていたのは見知らぬ綺麗な大人の女性……とまあ、相変わらずちょっとミステリアスな展開です。

鈴で髪をまとめているところを見ると、彼女は前話で文子の回想に登場した遊紙の祖母・栞なんでしょう。彼女が若い頃の姿のまま遊紙の前に現れることができたのは何故なんだろうとか、そもそもこの空間は何処?「モリ」なのかな?とか色々気になることはありますが、いかんせん頭が働かないので今後の展開待ちです(←×

関連:『くおんの森』感想(1)



・『第七女子会彷徨』/つばな(#23『気さくなお人形さん/What is a friend?』)

ビーフシチュせんべえなるものを包装ごと頬張って「塩化ビニル樹脂だな」と漏らす光子が可愛……く見えないことも無いです。そんな様子を見ていた金やんのお母さんに買い物を頼まれた光子が、今話の主役。

彼女は買い物の途中、地面にチョークで斬新なデザインの人魚を描いている少女・杏里に出逢います。光子が、洟を垂らしながら一心に落書きに励む杏里に声をかけると、杏里も光子に興味を持ったらしく、他愛ない会話がちょこちょこと展開されています。
すると杏里の母親らしき人物に落書きを止め家に入ることを促された杏里は、光子とのコミュニケーションに心残りがあるようで、光子と再会の約束(のようなもの)をして……といった感じのお話です。最後に、杏里デザインの人魚を光子が紙に描いたものが見られるんですが、まあ何とも不気味。

この話でちょっと気になったのが、杏里の年齢。
光子が買い物に出かけたのは午前11時。で、金やんは高校に登校しているので平日なんだと思われます。小学生ぐらいかなと思ったんですが、もしかしたら未就学児童なのかもしれません。それとも何か他に事情があるのかな。

関連:『第七女子会彷徨』感想(1)(2)



・『晴晴劇場』/山坂健(#23)

今話に登場している凛、実は前回登場時は誰だか思い出せませんでした。で、そういえば大食いチャレンジに失敗して円にお金借りてた子がいたっけか……と今話のタイトルイラストの説明文を見て納得しそうになったんですが、お金貸したのって舞子ですよね。
そういえば、凛が初登場したエピソードで舞子が凛の拳にタコがあるのを見て、「あのコ何か格闘技やってるね」なんてことを言ってたんですが、今話で凛はつかさの名前を下駄箱に見付けて大声を上げて驚いているんで、彼女も実際に何らかの格闘技をかじっていて、それを通じてつかさのことを知ってるんでしょうね。

そんな凛のクラスメイトとして、晴の妹である五月がついに登場。姉がいることを告げたところ、周囲の子達にとても驚かれてます。ということは晴の言う通り、根っからの「姉」的な性質なんですね。ちょっとぽけーっとした感じは、確かに円に通ずるものがあるかも。

関連:『晴晴劇場』感想(1)



・『木造迷宮』/アサミ・マート(#27『夢の女学生』)

ひょんなことからセーラー服に身を包み、セッコの通う学校で授業を受けることになったヤイさん。おお、可憐だ……普段は割烹着姿で働き回ってるから忘れそうになりますが、ヤイさんのちっこさを再認識しました。

学校で教育を受けた経験が無いため、学校で勉強することが夢だったというヤイさんの笑顔が眩しい。他の生徒達とのやり取りがまた、とても幸せそう。
何ともほわほわしたエピソードでした。次回もこのまま学校が舞台になるようなので、次は何かしらアクシデントでも起こるかな?

関連:『木造迷宮』感想(2)(3)



・『ひなぎく純真女学園』/ふくやまけいこ(#42)

前話では大徳間銘寿とちょっとした言い争いをしていたアミ。それを目撃していた生徒がいたらしく、噂が流れてしまいます。が、やっかみが混じったせいか少し誤解されているようで、ひな女と合併後は一緒に生徒会で頑張ろうと2人が約束をしていたなんて感じの内容に。それを耳にした女生徒達は「ズルくなーい!?」と怒り、学園内に反・アミの気運が高まります……

と思っていたら、ユイがひょんなことから銘寿の興味を惹いたらしく(その素直な人柄ゆえ、かな)、銘寿がSPにユイのことを聞いて回るように命じたことが判明した途端に、反・アミの少女達はすぐさま反・ユイに鞍替え。生徒会長選ではアミを応援し、ユイを負かしてくれなんてことを言い出します。だから女子は怖いんだよ!(←

関連:『ひなぎく純真女学園』感想(2)



・『大正野球娘。』/伊藤伸平(原作:神楽坂淳)(#22)

さて、お調子者の高原が意外にも晶子の球筋を見極めヒッティング……したかのように見えた前回のラストシーンでしたが、実は打たされていたことが判明。おお、哀れな高原くんはそんな事実を露知らず満足げな笑みを浮かべているのです。

そういった桜花会の戦略を見抜いた唯一の人物であり、魔球を投げる晶子の体力が本番では持たないであろう(3回裏で終了する練習試合でも既にバテ気味なため)というアドバイスまで口にしたりと、この練習試合で1人だけその株を上げたのが、柳。彼だけ最後までかっこ良かったな……

そんな彼に興味を持っているんであろう巴は、彼をランデヴーの相手に指名するわけですが(勝利チームで最も活躍した選手が、ランデヴーの相手を選べるという約束がありました)、勿論これが気に食わない静は非常に不機嫌になってしまうわけです。
そんな、静の巴を中心にした価値観の危うさを筆頭に、色々とチーム内に軋轢の種があったことを再認識させられる、そんなエピソードでした。人が集まれば、まあ仕方の無いことですな。

関連:『大正野球娘。』感想(1)(2)(3)



・『ねこむすめ道草日記』/いけ(#25『黒菜が二人で道草』)

黒菜は友人である大輝達と、猫である時の飼い主のお婆さん、その両方と祭りに行く約束をしてしまいます。どちらも大切な人達だし、どちらからも奢ってもらいたい……ということで悩む黒菜。
そこで河童が考え出したアイデアが、化け狸を黒菜の姿に変身させて、一時的に黒菜2人体制でお祭りに臨もうというもの。明らかに口調も表情も違うのに、皆気付かないもんですね。

見所は、気の抜けた変身(明らかに本物よりでっぷりしてます)をしていた化け狸が、黒菜に尻をはたかれた途端シャキッとした姿になるところでしょうか。黒菜がお尻ぺんぺんされてるみたいで興奮す(ry

関連:『ねこむすめ道草日記』感想(2)



・『桃栗三年』/亀井薄雪

第6回龍神賞を受賞された亀井薄雪先生の商業デビュー作。創作同人で活躍されてる方らしいです。

絵柄はシンプル、コマ割なんかも特に変わったところが無いので、読みにくいということは無いんでないでしょうか。僕はさくさく気持ち良く読めました。
話の内容は、プラモ製作を趣味とする女子大生・桃瀬みすずと、同じボロアパートで彼女の隣に住んでいるちょいオッサンの小説家・小栗とのやり取りが描かれているだけの、非常にシンプルなもの。全体的に、のんびりとした空気感が漂っています。

個人的には、マイペースにほんの少しだけみすずを振り回す、小栗のトボけたキャラクター性に魅力を覚えました。
そんな小栗のことを、多少の付き合いを持っている割にみすずはよく知らないようで、今後2人がどんな関係性を形作していくのか、その辺りのことが気になります。「桃栗三年」同様に、人と人との繋がりがしっかりしたものになるにも幾らかの時間がかかるものですが、本作の桃(瀬)と(小)栗はどうなるのかな、と。ところでこれ、続きは描かれるのかしら。
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
どみなのド!(3)

チャンピオンREDにて連載中の漫画の単行本、3冊目。
ドSなお嬢様の許婚・怒皆ひかりに、「所有」され拘束され虐げられる。平凡な高校生・土江武が過ごす、人によっては羨ましく感じるかもしれない、ある種の愛に溢れた毎日が描かれている作品です。

ゆっくりと距離を縮める武と彩子を、怒りと共に見つめるひかり

ひかりをライバル視している璃瑠(この子もちょっとアレ)の策略で、武に好意を寄せる少女・彩子と武が少しばかり接近するところから今巻は始まります。
私服を着て街で待ち合わせ、恋愛映画を観覧し、食事をとって、服を見て回り……とまあ、この作品らしからぬ、何とも普通のデート。愛情表現にしろ照れ隠しにしろ、ほぼ確実に暴力がそこに介在するドSなひかりとでは、こういったことを楽しむ機会はあまり無さそうなので、武にとっても貴重な体験になったんじゃないでしょうか。

そんな具合に接近を始めた2人を見ているひかりの機嫌は、勿論悪くなる一方。屋敷内で武と顔を合わせる度に、何かと難癖を付けて教育的指導を繰り返します。熱々のおでんを無理やり開いた口に押し付けるとか、相変わらずひかりのチョイスは厳しいなあ。
そんな折、パッと見にはがらくたばかりな武の宝箱(最初、それを目にしたひかりは「子供みたい」なんて笑っていました。武がいなければ割と素直な表情を見せてくれるのが彼女の可愛いところです)の中に、彩子が武に贈ったお菓子の包装に使われていたと思しきリボンを見つけてしまったひかりは、それを宝箱ごと捨ててしまいます。実際にはそれは彩子の使っていたリボンではないことが、ひかりの幼少時の記憶を辿る内に判明するのですが……

一方、ひかりの心情を知る由も無い武は、大事にしていた宝箱を捨てられてしまったことを聞き、何と屋敷から逃走します。今までどんな虐待にも耐えてきた彼にもどうしても許せないことがあったのか、それとも積もり積もった不満が機会を得て爆発しただけなのか、その辺りは彼のみぞ知る。

ひかりのそれを凌ぎかねない、彩子の想い

そして行き場を失い、公園で一夜を明かした武を拾った女神こそ彩子。
両親が海外にいるとかで、彩子は一人暮らしだそうで、そんな彼女の家に武はお呼ばれされるのです。三角関係の行方に注目していた読み手としてはワクワクが止まりませんでした。
メインヒロインであるひかりがこの展開にどう絡んでくるのか、もしひかりがこの場に現れなかった場合、彼女は武と彩子の関係についてずっと悶々としなくてはならなくなるわけで、そうなると彼女と武の関係はどう変わってしまうんだろうか、なんて考えつつページをめくり続けると……

彩子の愛情のカタチが露わに。

( ゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …!?

単行本裏表紙の「愛=拘束!?」ってひかりの仕打ちを指したものじゃなかったんだなあ。

1巻で武の小水を溜めたペットボトルに頬擦りしていた時点で彼女の狂人っぷりはガチなんだろう、と覚悟はしていましたが、まさかこういった行動に出るとは思いませんでした。しかもこの画像の部屋、天井の至る所に武を隠し撮りした写真が貼り付けてあったりするのです。
ちなみにそのペットボトルは全部冷蔵庫に保存してあって、時々口をつけてるとか何とか。今巻における彼女の台詞で最も恐ろしいのは「一番最初のこれだけは武くんと一緒に飲もうと思って 大事に取っておいたんだよ」というものでしょう。もうわけ分かんないよ!
だけど個人的には、彩子が下のお世話までしてくれるっていうんならこの生活も悪くないんじゃないかな、とか思わないでもなかったです(←



この後は、武が大事にしまっていたリボンがかつて自分が渡したものだったことを思い出したひかりが、武と話を付けるために彩子の家へと出向くという修羅場展開、そしてそれを収めるために繰り広げられる武を賭けたバトル(何故か一発ギャグとか……ここでは下ネタ全開です)が楽しめます。
ところで、彩子の家に乗り込んだ際に、ボールギャグを噛ませられているせいで事情を説明出来ない武に向かい「アンタが真面目に話す気がないなら 私……」なんて悔しそうな表情を見せるひかりがとても可愛い。この瞬間、僕の中でひかりは彩子に追い付きました。

目黒三吉先生のブログはこちら→"目黒三吉のゴーゴー!ぶろぐ"

関連:『どみなのド!』感想(1)(2)
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
ひよわーるど(1)

まんがくらぶにて連載中の4コマ漫画が単行本化。
「4コマ史上、最弱のヒロイン」(帯裏より)である守屋ひより(表紙・黒髪ロングの子)が過ごす、特別な事態は何も起こらないのに、時々命すら危うそうな毎日が描かれている作品です。

主人公のひよりは、とにかく貧弱で虚弱で脆弱な女の子。
寒さに弱いため、冬になると不自然な程に丸々と着膨れし、暑さ(というか、厳しい直射日光)にも弱いため、夏になるとシーツを被り陽射しを避けて生活しています。
更に強風に煽られると飛んでしまいそうになるぐらいペラペラだったりするし、自らの頭部ですら時々重くてふらついてたりと、見ていて不安になってくる弱々しさ。
極めつけは、その体力の無さでしょうか。階段を歩いているだけで息切れして(実はこれに関しては僕も人のこと言えない)、杖をついたお婆さんには追い抜かれ、挙句の果てにはそのお婆さんに「使うかね?」なんて杖を差し出される始末。
付いたあだ名が"じゃっく"(弱の音読みに由来)……音だけ聞くと、何だか木登りが得意な人のようにも思えますね。

そんな彼女ですが、普段の生活は意外にも心地良さそう。
周りのクラスメイト達は虚弱な子だってことを理解しつつも普通に接してくれるし、世話好きな友人達は何かと助けてくれる、といった感じで環境には恵まれています。
で、ひより自身は学校の階段に専用の座布団や水筒を設置し、疲れた時にはそこで一休みして英気を養ったり、学校に遅れないように早く家を出てのんびりと移動したり、なんて具合に無理をせずにふわふわと過ごしてるわけです。

そういった健やかな生活のお陰か、もっと世を儚んでいたって不思議じゃないのに、実際には彼女の性格はマイペースで大雑把でてきとー。人の弱点や好物を掴んでお近付きになる術まで身に付け、何とも楽しそうに生きています。自分の弱っちさを受け止めてそれとしっかり付き合い、時にはイヤミにならない程度に利用している彼女の何とも伸びやかな姿、そして彼女と周囲の織り成す"ひよわーるど"はとても魅力的。

そんなこんなで、次元を問わずパワフルな女性が溢れている現状、漫画の中にか弱い女の子を見出そうとしているような人にオススメ……のようでいて、ひよりってば虚弱なのは体だけで、時に毒を吐いたり強かだったりするので、そういったギャップを求めてる人にこそ推せます。分かり辛いですね。



ところでこの作品のエピソードの幾らかは実話に基づいているそうです。おいおい、橘紫夕先生ってどんだけ萌えキャラなんだよ……ご本人を是非拝見してみたいなあ。

橘紫夕先生のサイトはこちら→"DEAR MINE"

関連:『となりのなにげさん』感想(1)
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
神のみぞ知るセカイ(8)

週刊少年サンデーにて連載中、アニメ化も決まりノリにノっている、ギャルゲとリアルの境界線が分からなくなってくる漫画も、もう第8巻。早いものですね。

主要キャラの紹介に加えて、既刊の試読ページもある公式サイトはこちら

今巻に登場するヒロインは2人。草木も眠る丑三つ時に墓場で1人遊ぶ不気味な少女・日永梨枝子と、メモを取りながら有名店のラーメンを幾つも啜る、ラーメン店の一人娘・上本スミレ。

個人的には、梨枝子のエピソードが好み。

父方の祖父母の元に遊びに出掛ける桂馬達。
するとそこには、「あそんでくれなきゃクビキルゾ」なんて物騒な歌を口ずさみながら懐いて(?)くる、愛梨という少女の姿が。ギョロッとした目、不吉で突飛な言動が何ともミステリアス……というか、不気味な子なんですが、そんな彼女と瓜二つの少女が、夜の墓場で光を発しながら1人で毬をついているのをエルシィが発見してしまうところから話は始まります。

怪しさに満ちた愛梨の言動を見ていると、友達がいないのもむべなるかな、といった感じ。友達と遊びたいのか、それとも根底からそういった性格を直したいのか、いずれにせよ彼女こそが心のスキマの持ち主で、駆け魂に取り憑かれている今エピソードのヒロインなんだろうなあなんて思っていたわけです。
ところがエルシィの駆け魂センサーは、愛梨には全く反応しないわ、それどころか夜中現れる発光少女(こう書くと、イカ娘みたいですね)にも何ら動きを見せないわ……と何とも不思議な展開に。墓場に現れる少女は空中浮遊までしているし、そこに駆け魂が何ら介在しているのは確かなのになあ、とエルシィと一緒に首を捻るのが楽しかった。
ヒロインをどう攻略するかとなると、リアルにせよゲームにせよ恋愛経験の乏しい僕はもう完全にお手上げになってしまうんですが、そもそも誰がヒロインなの?という話なら一緒に悩めるんだなあ、と。

結局、駆け魂が入っているのは愛梨ではなく梨枝子なわけですが、桂馬が攻略するまでもなくこのエピソードは終幕を迎えたこともとても印象的でした。
梨枝子は……なので(今更ネタバレ回避も何もありませんが、まあ割愛)、恋愛を用いて彼女が心に抱える問題点を浮き彫りにして、そこから解決への道筋を辿るといった手法が通用しないのは分かり切ってはいましたが、こうも静かに終わるとは思わなかったんですよね。
心のスキマと向き合うに当たって、それを埋めてしまおうとするだけでは無く、ありのまま受け止めて呑み込んで生きていくことも1つの手。今まで知らなかった形の、リアルの人々の生き様を桂馬はどう捉えたんだろう、なんてことも考えながら読めるエピソードだった気がします。

ところで今巻にも設定話というかインターバルのようなものが収録されてるんですが、そこでノーラさんが早くも再登場してくれて嬉しい限りです。褐色肌で巨乳、しかも普段はとてもキッツイ癖にちょっと純なところもあったりする。そんな彼女の活躍を祈っています。



更に嬉しいのが、とらのあなで購入すると貰えるイラストカード。何と絵柄が栞じゃないですか!Twitterリクエストで選ばれたらしいですが、いやはややっぱり可愛いです。

帯裏の若木先生ヒストリーが割と悲惨なので、是非帯が付いている内に買いましょう(ノ∀`)

若木民喜先生のブログはこちら→"HoneyDipped"

関連:『神のみぞ知るセカイ』感想(2)(3)(4)(5)(6)(7)
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
第七女子会彷徨(2)

COMICリュウにて連載中のコミカルなSF漫画の単行本、待望の2冊目。
SF的ガジェットに満ちた世界で、彼女なりにごく普通に日常を過ごしている2人の女子高生、金やんと高木さん(表紙の女子、左と右)の姿が描かれている作品です。

裏表紙にあるコピーが、まさにその世界観を表しているので拝借。
「ちょっとだけ未来社会の彼女たちの日常生活は……もはや非日常。」なわけです。"すこしふしぎ"な感覚を味わうに非常にもってこいな作品なので、興味のある方は是非COMICリュウで立ち読みでも……

さて、この作品に関しては毎月リュウの感想記事で触れてるんで、それをまとめておきます(ところどころ修正はしてますが)。雑誌感想というエントリの性質上、普段の単行本感想に比べるとネタバレを多く含みますが、まあその辺りは勘弁願いたい。



・#14『まぼろし まほろば/Death walker』

学校が死人の生徒を受け入れると発表したことが、描き下ろしのプロローグで語られています。が、雑誌掲載時は今巻に収録されていない第13話『夏のまぼろし/Summer's phantom』(個人的にはとても好きなエピソード)の最後でその辺りのことがちょろっと描かれていただけなので、最初描き下ろしパートを読んだ時は「あれ?描き下ろしになってるけど、似たようなのを読んだような気がするぞ……」といった感覚に陥りました。
ちなみにこの描き下ろしの部分には、第21話で金やん達の会話に混じって「誰?」と突っ込まれている眼鏡の女の子が登場しています。のび太みたいな顔してますね。

で、死人の生徒といえばこの人。単行本1巻にてお亡くなりになっている坪井さんが再登場するわけです。
さて、そんな坪井さんが(もしかしたら生前よりも)ハイテンション気味に隣の席に座る飯島くん(前号ラストで意味ありげに登場した男子生徒)に話しかけてみると、何とリモコンで声量を調節されてしまいます。飯島くんが何故そんな道具を持っているかは割愛。
ここで僕が感じたのは、「ああ、やっぱり死人はデータとして管理されてる身なんだなあ、自由じゃないんだよなあ」ということ。最初の数ページでは、坪井さんのタレ目や八重歯が可愛かったり何だりで、彼女と他の生徒との差異を忘れてしまいそうになりましたが。しかしそんな状態にあっても、やたら脳天気な坪井さんは凄い子だ。言動を見てる限り、努めて明るく振る舞ってるというわけでもなさそうなので、自らの死についてはとりあえず吹っ切れたんでしょう。単にアホなだけかもしれないけど。



・#15『多元宇宙ボタン/I am missing』

今回の話は金やんがメイン。
光子(金やんの家に居候している遊歩探査……まあロボットみたいなもの)が転送を受けた未来道具(作品の舞台自体が近未来なんですが、それよりも更に未来ってことです。何か面白いな)「多元宇宙ボタン」によって、自分が存在しない並行世界へと飛んでしまった金やんが、世界のバランスを保とうとする宇宙のヒズミから逃げつつ、見覚えがあるにも関わらず、金やんの過ごしたそれとは何処かズレている風景を見て回る……といったような、SF色がやや強めなエピソードでした。

並行世界が、金やんの知っている世界とほんの少し、だけど決定的に異なることを感じさせたのが、高木さんの存在。並行世界にも高木さんはいるんですが、彼女と友達選定でペアになっているのは金やんでない女の子なんですね。だから金やんのことを知らない高木さんは、その名前すら明らかにされない女の子と一緒に行動している。
決して珍しい話の作りではないんだけれど、普段の金やん・高木さんコンビを生温かく見守っている(気分になっている)僕には、何ともいえない気持ち悪さを感じさせました。

それでも2人は感覚的に惹かれ合うんですよね。並行世界の高木さんが金やんに向けた「よくわかんないけど私 あなたのこと好きかもしれないな」という台詞は、どんな形で出会ったとしても2人の仲は上手くいく! みたいなことを僕に確信させてくれたわけです。ここの金やんの嬉しそうな顔がまた、たまらなく可愛いんですよねー。



・#16『初恋解凍/Long time to see』

かつての金やんの同級生であり、7年間の冷凍睡眠から目覚めた清水くんが登場。回想(?)シーンでは、彼が眠りに入る時に泣き出してしまう純な金やんの姿が拝めます。妙に飄々としている現在の彼女とはえらい違いだ。

清水くんの抱える、周囲の大きな変化とその状況に付いていけない自分の間にあるギャップに対する戸惑い(このエピソードにおいては、その表徴として首輪だけ残された犬小屋が出てきます。これは応えるだろうなあ)というのは、SF的設定ならではの興味深い悩みですよね。ウラシマ効果的な……
また、そんな状態に置かれる人間というのが現在の生活からは想像しにくい(無理やり考えるなら、植物状態からの復活とかかな)という意味で、読み手である僕らにとってもそこにはギャップがあったりして、それもそれで面白いかもしれません。

さて、そんな清水くんに手を差し伸べるのは勿論金やんの役割です。やっぱり金やんは頼りになるんだよなあ。どんな状況に陥っても何だかんだで落ち着いて物事に対処する姿は、高木さんでなくても縋りたくなるってもんです。
ここでの「困ったことがあったら助けてあげるって言ったでしょ?」と微笑む金やん、そしてそれを受けて彼女は変わっていないと感じる清水くんのやり取りはなかなか微笑ましい。清水くんにとっては「変わっていない」ように思えても、やっぱりビジュアル的にも精神的にもお姉さんな金やんと、返事に子供らしさを残した清水くんの対比がイイんですよね。

そしてオチの1ページには大層笑わせてもらいました。現実は夢がないなあ(笑



・#17『高木さん劇場/Show you』
・#18『ぷらぷら/It's up to you』

2本立て、ということで同じ号に掲載されていました。
第17話は、高木さんがメイン。

人間大のウサギに、不思議な空間に無理やり連れて行かれる高木さん。意識を取り戻した高木さんが見たのは、"記憶再生機"によって自分の記憶を覗き見て楽しんでいるウサギ達の姿でした。
高木さんの日常は人気が高く、普段は遠くから観察しているんだけど、今回は特別に直接頭の中から覗かせてもらっているなんて言い出すウサギ。
ちょっとした人気者(割とバカにされている感じではあるんですが)扱いな高木さんですが、これってプライバシーも何もあったもんじゃないわけで、いやはや不憫な子だなあ。
それにしても、これはなかなか怖いなあ。絶対に知られたくないことが、自分の気付かないところでバレてて、しかもその事実を明かされてしまうわけですから。自分では想像もできない謎の技術によってなされてるから、まだ不思議感がクッションになってますけど、これがいわゆるストーカー的手口だったら完全にサスペンス(又はホラー)だなあ。

しかしこうして人外にまで徹底的にイジられる辺り、高木さんの溢れんばかりの魅力はこの世界の共通認識といえるんじゃないでしょうか。
機会があれば、僕も彼女の日常を盗み見たいもんです。え?高木さんが怖がる?……だがそれがいい(←×

第18話では、金やんと高木さんの過ごす年の瀬が描かれています。
珍しくこれといったイベントも起こらず、落ち着いた雰囲気で話は進んでいくけれど、実のところこれこそが彼女達の過ごす日常なのかもしれません。さすがに毎日のようにアクシデントがあったら、金やんの体がもたなそう。



・#19『静止現象/Freeze tag』

あらゆる物体の動きが止まってしまった世界でたった1人、どうしてかうろちょろ(彼女の無軌道さを表すには、こういう言葉がぴったりでないかと思います)動き回ることができる高木さん。

彼女が色々と悪戯をして廻る様を見るのが、今話最大の楽しみなんじゃないかと思います。勿論、どうして何もかもが動かなくなってしまったのか、そんな中で高木さんだけがフリーダムなのは何故か、という疑問もそれに対する解答も気になるところではありますが、それはさておきやっぱり高木さんに目は釘付けなわけです。
話しかけても反応しない金やんの顔をはたいてみたり、名残惜しげにその場を去ったと思ったら、他人の眼鏡を勝手に持ってきて金やんにかけさせてみたり、金やんのリボンを解いて自分の髪をまとめるのに使ってみたり(この時の高木さんのビジュアルがなかなかイイ)、それでもって自分の行動に何の反応も示さない世界に悩んで、最終的にやっぱり金やんに抱きついて助けを求めてみたり……この子、ホントに金やん好きだな!

とまあ、全体を通して台詞がないにも関わらず、高木さんがいかに金やんにべったりでアホの子なのか、そして可愛いのかがよく分かるエピソードなので、彼女のファンの方にはオススメ。



・#20『魔術師/Illusionist』

デジタル天国の住人である坪井さんが扉絵を飾っています。
というわけで、今話の主役は坪井さん。あくまでデータ化されて生かされているだけの彼女ですが、学校内に設置された装置のおかげで一応登校して授業を受けたり何だりはできるようになっています。

しかしそうはいっても彼女が現世に干渉できるのは学校内だけですし、やっぱり暇で暇で仕方ないわけです。時々遊びに来てくれる金やんと高木さんも、動物の姿をしていたり何故か急須だったりで(デジタル天国はインターネットの世界ですので、自由に姿を変えられます)、どうも遊んでいるという感覚は薄い。そんなこんなで暇を持て余している坪井さんを、何者かによるデジタル天国へのクラッキングというハプニングが襲います。
彼女もその犠牲になりそうになったのを、間一髪救ったのは何と飯島くん。学校では無愛想、坪井さんが話しかけるとリモコンでその声量を調節しちゃうような彼が何故……といった感じで話は進みます。「渋い」ロケットパンチを選択する辺り、デジタル天国における「飯島くん」にちょっとオジサン世代的なものを感じさせる。

とまあ、普段とはあまりにも違う姿の飯島くんに、ついつい赤面してしまう坪井さんが可愛らしいエピソードでした。
ちなみにこの話の最後のコマに、描き下ろしでも姿を見せている眼鏡の女の子が混じっている気がします。ホントこの子は何者なんだろう……



・#21『地球防衛軍/No war』

センターカラーです(でした。単行本にもカラーページで収録されています)。制服の上着の色合いが出たのって初めてかな?

タイトル通り、地球防衛軍が衝撃的な形で登場。見開きでのシーンはふきました(笑
とにかくインチキ臭い上に、色々と迷惑を振りまいている地球防衛軍の役立たずっぷりもさることながら、彼らの関わるアクシデントの中心に、やっぱり高木さんがいたことに笑みを隠せません。高木さんが何処かに隠遁するだけでも、七女の世界はだいぶ平和になるんじゃなかろうか。

そういえば、冒頭で清水くんが再登場。金やんと途中まで一緒に登校してるんですが、ちょっと頬を赤らめてるようなシーンがあったりして(吹き出し外で「デートだ!」なんて金やんが言ってるんで、それに反応してるのかな)、やっぱり清水くんは金やんのこと意識してるんだろうか、とラブコメ好きとしては気になります。
子供扱いするな、なんていいつつもやっぱり年相応の子供っぽさも残している清水くんに、友人兼ややお姉さん的立ち位置から接する金やん。これはこれで、割としっくりくる2人だと思うんですよね。



・#番外篇『早回りの世界/Crumble away』

SFJapan2010年SPRING号に掲載されていたエピソードです。収録されるなら3巻ぐらいかなー、と思ったんだけど意外に早かったですね。単行本を3冊買える値段の雑誌でした(←

閑話休題。
舞台はいつも通り金やん、高木さんの住む町。なんですが、今話では異常なまでに繁殖した植物が至る所を侵食しているため、まるでジャングルのような様相を呈しています。高校の校舎内もすっかり緑色の比率が高くなっており、金やんの机に至っては怪しげな実までなってる始末。

そんな事態を引き起こしたのは、火星の植物だとか。火星で干からびていた植物の種を「緑あふれる町」を作るために利用した結果、何とも残念なことになってしまったんだそうです。地球における成長速度は異常な程で、2人が学校に行ってただ帰って来るだけの最中にも目に見えてわさわさ具合が増していたりします。
そして挙句の果てには、成長著しく茂った植物の中に新たな生態系が発生。『早回りの世界』というタイトル通りの小さな星が、美球町の中に生まれるわけですね。

勿論のこと、その状況下では高木さんは役立たずです。光子初登場の回同様に、怪物に捕獲された金やんを放っておいて逃げてしまったりもします。涙を流しながら形見がどうこう言ってたりもするんで、金やんが好きなことには間違いないんだろうけども、有事の際には彼女をあっさりとイケニエにしてしまうのは相変わらずヒドイ(笑)金やんの生存率の高さ、危機的状況を打開する能力への信頼がそこにはあったりするんでしょうか。
一方、謎のキモイ(高木さんから見ると可愛いそうですが……ちなみに食べられる様子。どんな味がするんだろうか)動物やら、石器を使う原人やらに遭遇しても、割と冷静に事態を分析出来てしまう金やんの頼れる女性っぷりは凄い。これは清水くんでなくとも惚れる!

とまあ、こんな感じのエピソードでした。
町が植物に覆われるというと、藤子・F先生の『みどりの守り神』なんかが思い起こされます。環境問題への警鐘等のメッセージ性に富んだ作品でしたが、本作品も、金やんが経験した世界の終末の捉え方によっては、そういった側面も感じられるかもしれません。
こういうことを書いている僕は、ただコメディとして読んで笑ってただけですが(←×



1つ1つはあまり長くない感想も、こうやってまとめてみるとそれなりに分量がありますね。ホントは色々と新しく何か書きたかったんだけど、時間と体力と相談した結果こうなりました。残念だ……

購入するなら特典ペーパーが付いてくるCOMIC ZINがオススメ。
ちなみにZINはリュウコミックスフェア対象店でもありますので、1巻を買うとポストカードが貰えます。2巻とご一緒にどうぞどうぞ。ポストカードは要らない、漫画だけ読みたいという人は相談して下さい。ストックは割と潤沢にあるんだ(←

関連:『第七女子会彷徨』感想(1)
テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
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